「可能性を信じた先にある世界」LongWave株式会社・古賀 勇輝
2024.11.27
IsaI JOURNALでは、IsaI AkasakA の入居者さまや赤坂エリアに拠点を構える店舗や人物を特集し、この地の魅力を未来へと繋いでいきます。
今回は、IsaI AkasakA に入居されている LongWave株式会社〔 ロングウェイブ 〕・古賀 勇輝〔 コガ ユウキ 〕さん。
LongWave株式会社は、エンジニアに特化した採用支援事業を展開しており、企業と優秀なエンジニアを繋ぐ橋渡し的な存在。日本人だけではなく、外国籍のエンジニアも多数マッチングさせ、現在は自社製品も開発中。今後は海外展開も視野に入れていると言います。
本取材では、日本におけるエンジニア業界の実態、そして課題についても言及いただきながら、古賀さん自身が見据えている今後の展望についてもお話しいただきました。
実業家の背中を見て育った。
– – 早速ですが、古賀さんはどんなお子さんだったのでしょうか。
古賀さん:小さい頃からサッカーが大好きでした。大人になった現在でも続けているのですが、プロのサッカー選手を目指したことは一度もなくて。
当時から「社会貢献をしたい。」という漠然とした想いを持っていました。「最高のチームの力で、世界中の人の助けになることをしたい」大人になるにつれてそんな想いがより強固になっていって、今に至ります。
大学在学中には教材販売のフルコミッション営業や、AIスタートアップでマーケティングに従事したりと、学生ながら精力的に活動していました。卒業後には大手IT企業に入社して、経験をより一層重ねました。元々、独立心はあったので「成長スピードが早い環境に身を置きたい。」と思っていたんです。
その大手IT企業で1年ほど勤務した後は、しばらくフリーランスとして活動していました。当時、人材や教育などの領域で新規事業を立ち上げる仕事をしていたのですが、あの時の経験や出会いが今のビジネスの礎にもなっていると感じています。
– – 大手企業を辞める。ということは、勇気もいる決断かと思いますが、先を見据えたキャリアプランがあったのでしょうか。
古賀さん:ある程度のキャリアプランは描いていましたが、具体的にはなくて。ただ、「実業家になりたい。」という気持ちはありましたね。東日本大震災が起こった時、日本の名だたる実業家が自身のポケットマネーで被災地に寄付をしていたことを知りました。私は純粋に憧れてしまって笑。
それに、ビジネスだからこそ出せる、世の中へのインパクトにも強い魅力を感じています。この世の中、想いだけがあっても変えられない事柄はたくさんありますよね。私の父も実業家なので、小さい頃から父の背中を見て育ちました。その影響もあって「自分も大人になったら父と同じようになるのかな。」と思っていました。
– – なるほど。実際に起業されてからはどのように活動してこられたのでしょうか。
古賀さん:起業当初はエンジニアに特化した採用支援だけではなく、バックオフィスに特化した人材紹介も行っていました。現在の事業責任者でもあるパートナーとの出会いを機に、今の事業形態に変わったんです。それまでには様々な壁・苦労がありましたが、「もっと日本を良くしたい。」、「日本の力を海外で試したい。」という2つの想いがあって、なんとかここまでやって来れました。
エンジニア業界の溝を埋める。
– – では、現在の活動・事業内容についても教えてください。
古賀さん:現在はスタートアップ向けに、エンジニアのハイスペック人材を紹介する採用支援を行っています。競合は多数ありますが、弊社は日本人だけではなく、外国籍の人材にも力を入れています。スタートアップでは事業・組織拡大のスピードが非常に早いため、即戦力になるエンジニア採用が求められているんですよね。
弊社の社員メンバーも全員バイリンガルなので、オフィスは日本語と英語が飛び交うグローバルな環境になっています。
– – エンジニアの人材業界・採用活動における課題についても教えてください。
古賀さん:日本ではエンジニアが圧倒的に不足しています。そういった状況なので、ハイスペック人材と呼ばれる方々が働く環境も整っていない状態です。
特に、日本企業側で「英語が話せない。」という課題はありますよね。最近では、海外展開を見据えた上で起業するスタートアップも増えきたので、創業期から「英語でやりとりをする環境をつくりたい。」ということで、弊社にご相談いただくことも多いです。
– – エンジニアのハイスペック人材と言われる方々は、仕事に何を求めているのでしょうか。
古賀さん:給料面も大きいですが、それ以外の要素も重要視されている印象です。それこそ、“イノベイティブ”であるかどうか。「革新的なプロダクト・サービスを生み出したい。」と思っているエンジニアは多いですね。
そもそもですが、エンジニアが働く企業・環境は大きく3つのタイプに分けられます。一つは自社製品を開発する企業。もう一つは、Sler〔 エスアイアー 〕といって、お客様・クライアントの要望に応じてシステムを開発する企業。最後は、SES〔 エスイーエス 〕といって、業務ごとにエンジニアを派遣する企業になります。
エンジニアの中でも「自分で生み出したものは自分の手で管理したい。」という方が多いので、自社製品を開発する企業が好まれがちな印象です。ですが、日本では 7-8割 がSlerの仕事内容になっているんです。アメリカは真逆で、 7-8割 自社製品の開発なんですよね。そういった業界構造の溝を埋められるかが、業界の未来に関わってくるかと思っています。
– – なるほど。では、古賀さん自身の仕事へのこだわりについても教えてください。
古賀さん:常に意識していることは「その困難はどうすれば解決できるか。」と、思考を止めないことです。言い換えれば ノー を イエス にする方法を考える。ということですかね。
あとは、「自分たちにとってのプラス。」を考えることも大事だと思っていますが、「相手にとってのプラスは何か。」と考えることがより大切ですよね。エンジニアの採用業界においては、現場と経営層・人事間で認識や感覚のズレが生じることも少なくありません。なので、我々の立場から言えば、専門性を持った採用活動・事業展開が必要になっていると感じています。こういった思いもあって、常に相手にとっての最善策を追求する姿勢が築かれたのかもしれません。
社員のモチベーションを上げるために。
– – IsaI に入居されたきっかけについて教えてください。
古賀さん:前のオフィスは新宿御苑にありました。社員数も増えて手狭になってきたので、移転を考えていて。それで IsaI を見つけて直ぐに内見を申し込みました。
実際に建物を見てからは一切悩むことなく、即決で入居することを決めました笑。共用スペースが充実していて、ジムもあったり、設備面が整っている点は決め手の一つです。
何よりも「IsaI に入居すれば、社員メンバーの働くモチベーションが上がるはず。」と思えたのが大きかったですね。彼・彼女らが最大限パフォーマンスを発揮できるように環境を整える。それが私の役割だと思っているので。
「挑戦しやすい街」を目指して。
– – 赤坂という地域に対してどのような“イメージ”をお持ちですか。
古賀さん:前のオフィスがあった新宿と比べると、賑わいも程よくて品のある街という印象があります。赤坂は事務所も多くて、ネットワークが広い会社さんも拠点にされている地域かと思います。なので、「日本のシリコンバレー」、「スタートアップの聖地」みたいな立ち位置を目指して街づくりを進めるのも面白いかと思っています。
起業家に対しての支援、補助金制度などが手厚くなれば、「挑戦しやすい」街として、さらに活気が生まれてくるのではないでしょうか。
点が線になり、そして面になる。
– – 最後に、今後の展望についても教えてください。
古賀さん:経営目線での目標で言うと、主軸となる事業を作って経営基盤を整えていくことです。創業当時はひたすら点を打つような日々でしたが、最近ようやくそれらが繋がってきて、広がりが生まれている段階です。
今後は自社製品・SaaS〔 サース 〕の開発にも力を入れていきます。自社製品の概要・構造は既に決まっていて、エンジニア人材業界全体の生産性を高められるようなプロダクト・サービスになることを期待しています。
私たちには「世界を舞台に貢献したい。」という想いがあります。今でもその足がかりになる事業は展開できていると思っているので、日本だけではなく、世界に対しても貢献できるように、まずは私たち自身の可能性を信じて、私たちが思い描く世界を創造していきたいです。
LongWave株式会社
「可能性を信じて機会に飛び込み、挑戦し続ける。」エンジニア採用支援事業、ソフトウェア受託開発、中小企業採用支援事業を中心に、IT人材不足問題や採用の課題解決に挑んでいる。