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「己を掘り下げ、素直になる」画家・田中ラオウ[前編]

INTERVIEW

2024.02.27

IsaI JOURNALでは、IsaI AkasakA の入居者さまや赤坂エリアに拠点を構える店舗や人物を特集し、この地の魅力を未来へと繋いでいきます。
今回は現在 IsaI AkasakA に入居をされている、画家の田中ラオウさん。2014年には、カリカチュア(人物の性格や特徴を際立たせるために誇張や歪曲を施した人物画)の世界大会でナンバーワンの座に輝きます。その後、画家に転身し、人々の心を動かす作品を数々残してきました。
vol.1では、カリカチュアをはじめたキッカケや画家に転身するに至った心境の変化についてなど、田中ラオウさん自身にフィーチャー。そして、vol.2ではIsaI AkasakAと赤坂の魅力について、そして今後の展望についてもお話いただきました。

世界一を目指し、カリカチュアの世界へ

– – 早速ですが、絵を描きはじめたキッカケについて教えてください。

ラオウさん:僕は兄の影響で絵を描きはじめました。子供の頃から一緒に絵を描いて遊ぶことが多かったんです。ですが、「受験勉強に専念するから」と、ある日を境に兄が絵を描くことをやめてしまって。それで、兄が絵を描くために使っていたノートを全部僕にくれたんです。それ以来、自分一人でも絵を描くようになりました。

– – 当初から絵描きを生業にしようと思われていたのでしょうか?

ラオウさん:具体的なキャリアを描いてはいませんでしたが「絵を描き続けたい」とは思っていました。中学卒業後には地元の北海道にあるデザインの専門学校に進学しました。

僕は自分の手で絵を描く技術を学びたいと思っていましたが、学校では主にパソコンを使ってグラフィックアートを学ぶことが多くて。気持ちとは反していましたが「将来的に役立つだろう」と思って前向きに取り組んでいました。

– – なるほど。卒業後に上京されていますが、就職のために上京されたのでしょうか?

ラオウさん:卒業後には必ず上京したいと思っていたので、就職先も都内で探していました。無事にグラフィックデザインの会社から内定をいただいたのですが、内定期間中に「カリカチュア」と出会ってしまって。誇張して表現する、というカリカチュア特有の技法に魅力を感じて、調べていくうちに世界大会があることを知り、僕もこの大会に出場して優勝したいと思ったんですよ。
結果的には、グラフィックデザインの会社に入社したのですが、長くは続かず。当時の自分の気持ちに従って、カリカチュアの世界で世界一を目指すことにしたんです。それでカリカチュア専門の会社に転職することにしました。

– – なるほど。カリカチュア専門の会社とは珍しいですね。

ラオウさん:今でこそ観光地や遊園地でカリカチュアのお店をよく見かけますが、当時はまだ珍しくて。僕が勤めていた会社の社長が日本にカリカチュアを広めていたんですよ。その会社では4年間みっちり働いて修行させてもらいました。その後、WEBで依頼を受けてカリカチュアを描くサービスの立ち上げを経験し、個人のアーティストとしても本格的に活動をしはじめました。

– – キャリアの途中、カリカチュアアーティストから画家に転身されています。何か心境の変化があったのでしょうか?

ラオウさん:カリカチュアは誇張を施すことに面白みがあるジャンルですが、そもそも日本では誇張があまり求められていなくて。カリカチュアとして「こういう絵を描きたい」という僕自身の気持ちもありながら、商業的に成り立たせるためには「お客さんのニーズも汲まなくてはいけない」という気持ちのぶつかり合いがもどかしくて。画家に転身すれば、より僕らしい作品を世に残していけると思ったんです。それに、世界大会で優勝するという目標も果たしたので、正直やり切った感もありました。

– – なるほど。個をより際立たせるためにも転身を決意されたんですね。

ラオウさん:カリカチュアアーティストは「誰が描いたか」ということは、あまり重要視されなくて。ですが、技術はちゃんと尊重されるべきだと思っています。僕は絵描きなので、描いた絵はちゃんと評価されたい。カリカチュア一枚だって立派な作品です。軽く扱われたりしたら悔しいですよ。

– – 絵描きに関わらず、専門職の評価に関して議論されることは多いですよね。たしかに「誰に描いてもらうか」を重視している方は少ないように思います。

ラオウさん:カリカチュアはアトラクションみたいに「どんな風に描いてもらえるんだろう?」とワクワクしながら、体験として捉えている方が多くて。それ故、作品も一瞬で飽きられてしまったり、タンスに仕舞い込んだまま忘れ去られてしまったりするんです。カップルを描いてもお別れしたら捨てられてしまう可能性だってあります。描いた本人たちだけに価値を感じてもらえるのも大変嬉しいことですが、一つの作品により大勢の人が価値を感じてもらえた方が、自分自身の新たな可能性も見出せると思って。

– – なるほど。では、画家に転身されてから何か変わったことはありましたか?

ラオウさん:駆け出しの頃は、社会に馴染むために鎧を着込んで己の弱さを隠す必要があると思っていました。ですが、とある画家に出会った時、まるで丸裸で戦っているような、純粋な強さを感じたんです。鎧を着込んでいた僕がすごく恥ずかしく思えて。画家への転身を決意した時は、着込んでいた鎧を脱ぐことからはじめました。己を掘り下げ、素直になることが大事だと学んだんです。

画家に限らずですが、素直な人間が1番伸びると思っています。創作活動においても、やらされ仕事ではなく、心の底から生み出したいと思って生み出された作品はより多くの人を魅了します。自分自身に正直に生きることで、なりたい姿にも一歩近づけると思っています。

物腰が柔らかくも、分厚い芯のあるラオウさん。入居して2ヶ月で「創作活動に打ち込める環境が整った」と言います。1ヶ月で描き終える作品数は、2倍になったそうです。画家としてどのようにこの場を活用されているのでしょうか。

次回記事では、IsaI AkasakAと赤坂の魅力、そしてラオウさん自身が目指す今後の展望についてお話いただきます。

 


田中ラオウ〔 画家 〕

1985年生まれ。北海道札幌市出身。2006年、東京にてカリカチュアアーティストとしてのキャリアをスタート。2014年、米ネバダ州にて行われたカリカチュアの世界大会【 ISCA convention 】で優勝。カリカチュア世界王者となる。2016年、画家に転身。2020年に初個展【 田中ラオウ絵画展〜虎は風に従う〜 】を開催。2019年にはAdobe Japan Prerelease Advisor就任。世界最大のクリエイターの祭典【 Adobe MAX 】にて、この年唯一の日本人によるセッション【 Adobe Fresco Dojo:Japanese Blackbelt Illustrators Draw Live 】に登壇。


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